映画「家族を想うとき」

「麦の穂をゆらす風」「わたしは、ダニエル・ブレイク」の2度、カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞したケン・ローチ監督作品。イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。父のリッキーはフランチャイズの宅配ドライバーとして過酷な現場で時間に追われ、夫をサポートする妻アビーも、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いている。マイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いているが現代が抱えるさ…

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「是枝裕和+ケン・ローチ ”家族”と”社会”を語る」

先日のNHK「クローズアップ現代」で、是枝裕和とケン・ローチの対談が放送された。イギリスのケン・ローチ監督は是枝監督が師と仰ぐ映画監督だそうだ。その映像の描き方は台本を事前に渡さず、現場で都度伝えるようでドキュメンタリーのような自然な姿を捉えるという。 ローチ監督は一貫して労働者階級や移民の日常生活をリアリズムに描いてきて、その「家族」や「弱者」の日常生活から「社会」の矛盾を考えるヒントを…

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錢家本舗で落語と無声映画

<6月30日> 朗読教室の会長から、FAXで無声映画上映会の案内をもらった。会場を調べてみると丁度お昼に落語会もやっていたので、1日落語と無声映画を楽しんできた。 落語は14時開演で丁度前線が活発になった時刻で、風が強く土砂降りだったので会場に着いた頃にはズボンの下の方はビシャビシャになっていた。落語は米朝一門の会で、トリは桂米團治が務めた。桂文我の落語会は出かけたことはあるが、米朝…

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映画「ベン・イズ・バック」

 息子と娘の連れ子で再婚した母親が、薬物依存症の息子を守ろうとする愛と、それに応えようとする息子を描いたヒューマン・ドラマで、題名の<バック>には二つの意味があるかもしれない。 息子ベンと一緒に行動をすると、母親ホリーが知らなかった人生を台無しにする薬物の恐ろしい事実を知るようになる。息子を全力で守る決意をしたホリーだったが、嘘と真実がだんだんと分からくなってる・・・。  母親のジュリア…

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映画「グラン・ブルー グレート・ブルー完全版」

BSで「グラン・ブルー」の題名を見て、ジャック・マイヨールの映画かなと思い見続けた。リュック・ベッソン監督の出世作「グレート・ブルー」に未公開場面が加えられた完全版。 少年のころからエンゾがライバル扱いしていたジャックに、大人になっても素潜りで深度を競うフリーダイビングの勝負に挑む男たちの物語。1992年に日本公開された「グラン・ブルー グレート・ブルー完全版」を、今年最初の映画として観る…

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映画「葡萄畑に帰ろう」

ワイン会に出席しているのでワインの勉強になればと出かけたのだが、全く別物の映画だったので戸惑ってしまった。 舞台はジョージアで、グルジアとしてヨーロッパとアジアの境にある旧ソビエト連邦の構成国だった国で、コーカサス山脈の村落や黒海のビーチで知られている。古代からワインの生産地として知られるカヘティ州が有名らしい。  主人公は政府の要職に就くギオルギで、故郷に残した母親のことなどすっかり忘…

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映画「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」

名曲「リベルタンゴ」を生み出し、タンゴ界に革命をもたらせたアストル・ピアソラのドキュメンタリー。 バンドネオン奏者となったピアソラが、伝統的なタンゴの魅力を生かしながら、ジャズやクラシックといったジャンルのまったく異なる音楽を取り入れ、彼独自の「ヌエヴォ・タンゴ」というスタイルを編み出した。ピアソラの演奏はタンゴではないと母国では批判されアメリカやヨーロッパに進出し、、「踊りのための伴奏音…

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映画「エリック・クラプトン 12小節の人生」

「ギターの神様」エリック・クラプトンの激動の人生を追った音楽ドキュメンタリー。ヤードバーズ、クリームなどのバンド期、ソロ活動の映像のほか、私的な日記、手書きの手紙、デッサンなどの映像も。クラプトン本人のナレーションで描いていく。 持っていない才能をねだっても仕方がない。残り少ない時間を精一杯生きようと、心新たにする。 <エリック・クラプトン 12小節の人生(Eric Clapton …

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映画「沖縄スパイ戦史」

二人のジャーナリストの長期の取材によって、1945年6月23日に第32軍・牛島満司令官が降伏したが、その後も北部ではゲリラ戦やスパイ戦が続いていた。 作戦に動員されたのは10代半ばの少年たちで、「秘密戦」のスキルを仕込んだのが日本の特務機関、陸軍中野学校出身のエリート青年将校。それは本土決戦を想定し、一般住民を動員・犠牲にしてまでもの国体護持の作戦だった。沖縄の村では相互監視のシステムの中…

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映画「709の向こう側」

<709>とは、中国習政権下で 2015年7月9日以降、中国で数百人単位の人権派弁護士が一斉に逮捕・拘束された。これが「709事件」と表現されている。その弁護士と家族の現状にせまったドキュメンタリー映画で、前作<709の人たち」の続編である。 この映画祭も朝日新聞の大阪市内版に掲載されていたもので、中央区にあるドーンセンターまで出向いた。上映会はNPO法人<Human Rights Now…

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<南京の記憶をつなぐ映画祭>

中国侵略の象徴<南京虐殺>の事実を明らかにするドキュメンタリー、被害者・加害者の証言者からの聞き取り取材の映画祭。朝から4本の映画が上映された。 アイリス・チャンの著作「The Rape of Nanking: The Forgotten Holocaust of World War II」は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに10週間掲載されたが、反響以外に歴史書という面で不正…

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映画「ボヘミアン・ラプソディー」

NPOの環境保全の関連で、仲間たちと休耕田の稲作と畑を続けているグループがある。10年以上になる活動なので、今回環境保全グループとして表彰されるらしい。 そこで作っている黒米をいつも少しだけ頂いている。今秋の収穫でも頂けるということで、共通の友人が営んでいた船場の袋物店で待ち合わせをし頂いてきた。量は少ないが2合のお米に一つまみの黒米を混ぜて炊くと、白米がモチモチした美味しいご飯になる。1…

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DVD「マックス/MAX」

高度な訓練を受けた軍用犬マックスは、アフガニスタン最前線の任務中に飼い主の米軍兵士カイルを失う。そしてマックスはカイルの家族に引き取られる。 心に深い傷を負ったマックスはカイルの家族や弟ジャスティンと少しずつ心を通わせていくが……。戦争の最前線でもエゴイストがいるし、海兵隊本部でも隠ぺいという操作も起こるようである。エンディング・ロールで白黒の映像が流れるが、軍用犬は昔から徴用されている。…

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DVD 「オーケストラ」

台風は通過したけれど、吹き返しの風が強くて走りを中止したので時間があまり、AmazonでDVDを見た。見たいと思うDVDを探すのにいつも苦労しているが、その中で選んだのは音楽関連の「オーケストラ」だった。 1980年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が連行され、それに反対した天才指揮者のアンドレイも楽団を解雇されてしまう。その後30年もの間劇場の清掃員として働いていたが、ある日…

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映画「若い女」

フランスのレオノール・セライユが国立映画学校の卒業制作として書いた脚本をもとにメガホンをとり、2017年にカンヌ国際映画祭で新人監督賞・カメラドールを受賞した作品。 パリで暮らす31歳の女性ポーラが、恋人に捨てられてパリを放浪するところから始まるが、その個性に驚かされる。お金も家も仕事もない彼女が途方に暮れ、恋人の飼い猫ムチャチャと一緒に友人宅からも安宿からも追い出され、実家に戻ろうとして…

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DVD「ラ・ラ・ランド」

<9月4日> 台風で外に出れなかったので、Amazonのビデオを観ていた。「ラ・ラ・ランド」は第89回アカデミー賞で主演女優賞をはじめ数々のオスカーを受賞しただけでなく、第73回ベネチア国際映画祭と第74回ゴールデングローブ賞でも最優秀女優賞、作品賞を受賞した。エマ・ストーンは2017年度の高額所得者の女優第1位になっている。 そんな作品がAmazonプライムにアップされたので観てしまっ…

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DVD「マンマ・ミーア」(前作)

続編の「マンマ・ミーア!ヒア・ウイ・ゴー」を観て印象に残ったので、Amazonで前作の「マンマ・ミーア」を観た。印象に残っていたのは3人の父親が結婚式にやってくることだけだったが、それだけでもなかった。 10年前だとブログが残っていて、何が書いてあるのかなと調べると、<アバの懐かしい音楽が流れ、「そうだよね」と頷く男と女の関係が、最後にはハッピーエンドで終わる楽しい映画だった>とだけしか書…

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映画「マンマ・ミーア! ヒア・ウイ・ゴー」

「ABBA」のヒット曲で構成されるミュージカルの舞台を映画化した「マンマ・ミーア!」の続編で10年ぶりになる。今夏にジュラシック・パークの続編が公開されたが、続編の作りは全く違っていた。 主人公ソフィがホテルの開業パーティーで奮闘している現在と、ソフィの母ドナが出会った3人の父親との若き日の物語を交錯させながら進む。若き日のドナを知ることで思い入れが強くなってきて、歌と踊りの楽しい映画なの…

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映画「ボリショイ・バレエ 2人のスワン」

ロシアの名門ボリショイ劇場のプリンシパルを目指す、少女2人を描いた青春バレエドラマ。2017年6月にマリインスキー・バレエのウリヤーナ・ロパ-トキナが引退を発表した。彼女の舞台は最晩年の来日のものを一度観ただけなのだが、そこから私はバレエにも興味を持つようになった。 映画はボリショイのバレエ・アカデミーに入学した、裕福な家に生まれ、気高く美しいカリーナと貧しい炭鉱町の出身ユリアの物語りで実…

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映画「2重螺旋の恋人」

性格が正反対な双子の精神分析医と禁断の関係にのめり込んでいく、腹痛もちの女性を官能的に描き出した心理サスペンス。何が幻想で現実なのか分からなくなりチョット混乱するし、結末も凄くて医学的な双子のことを勉強したくなる。 6月下旬に横浜で開催された「フランス映画祭2018」に合わせてオゾン監督が来日し、『2重螺旋の恋人』試写会後に観客を前に「私がこの作品で描きたかったのは『性の不満足』。セックス…

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映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

漫画家・押見修造が実体験をもとに描いた同名コミックを実写映画化されたもの。私にとっては縁遠い漫画なのだが、先日の図書館の帰りがけに雑誌「シナリオ」に掲載されていて、主人公が吃音の女子高生ということで映画を見ることに。 中学・高校の頃は何かしらのコンプレックスで、自分の行動が制御されるもの。映画は色々な経験を通して、そんなコンプレックスを乗り越えていこうとする若者の姿を描いている。主人公の志…

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DVD「バリー・シール アメリカをはめた男」

最近チョット狂ってきて、なにもやる気が起きないので仕方なくAmazonプライムのDVDを観る。 パイロットからCIAエージェントに転身し、麻薬の運び屋として暗躍した実在のバリー・シールの映画。バリーの人生がアクション、コメディ要素満載で描かれている。最後のつじつまは合っているが、ほんと嘘のようなお話だった。 <バリー・シール アメリカをはめた男(American Made)>2017…

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映画「ジュラシック・ワールド 炎の王国」

2015年に公開された「ジュラシック・ワールド」の続編で、監督は前作のコリン・トレボロウに代わり、スペインの出身のJ・A・バヨナが新たに務める。。前作でハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXの激闘で崩壊したテーマパーク「ジュラシック・ワールド」のイスラ・ヌブラル島に大噴火の兆候が表れる。 恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは救い出すか判断が迫られ、マルコムが議会の公聴会に…

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映画「空飛ぶタイヤ」

2002年に発生した三菱自動車製大型トラックの脱輪による死傷事故、リコール隠し事件などを物語の下敷きとして書かれた池井戸潤の同名小説の映画化。 ある日トラックの事故により、1人の主婦が亡くなった。事故を起こした運送会社社長、赤松徳郎は整備不良を疑われ、世間からもバッシングを受ける中、トラックの構造自体の欠陥に気づく。事故調査の進展を見せないため赤松は、自ら調査を開始する。中小企業が大企業に…

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ドクターG+ 「愛しめせ」

7月14日のNHKの「総合診療医ドクターG+」の放送で、放送の最後に上手な医者のかかり方として「愛しめせ」について話した。 「あ」: 医者の話言葉に、上手な相づちを打つ 「い」: 医者のいいところ、感謝しているとこを褒める 「し」: 病名は疑問符で、最終診断名は医者に 「め」: 症状を時系列でメモ、医者の指導もメモし姿勢を示す(これは格好だけでもいい) 「せ」: 生活史を語る …

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映画「グッバイ・ゴダール!」

ジャン=リュック・ゴダールの2番目の妻アンヌ・ビアゼムスキーの自伝的小説の映画化。ゴダールとともに時代を駆け抜けたアンヌの知られざる日々をコミカルに描いている。 ゴダールは1967年に商業映画との決別宣言文を発表した後、1968年にフランスの大学生が中心に起こた左翼のデモ活動が日ごとに激しさを増し、ゴダールも次第に革命に傾倒していく。映画の中で表現されているのゴダールは、どうしても理解出来…

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DVD「ヘラクレス」

スティーブ・ムーアのギリシャ神話の英雄ヘラクレスを描いたグラフィックノベルを、ドウェイン・ジョンソン主演で映画化されたアクション大作。 全能の神ゼウスと人間アルクメネの間に生まれたヘラクレスが、戦いを通し英雄となっていったのか、アクション満載に描き出す。 <ヘラクレス(Harcules)」2014年 アメリカ ◇監督: Brett Ratner ◇原作; Steve Moor…

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映画「焼肉ドラゴン」

2016年に2008年の再演で、鄭義信の3部作「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の連続公演で舞台を観た。焼肉屋を舞台に、在日コリアンの家族を通して過去、現在をおかしく、哀しく切なく描く。 映画はコマ撮りが出来るので、背景の拡がりや細部、役者のアップまで丁寧に描かれ分かりやすく、済州島の話や龍吉の最後の怒りは胸にジンとくる。舞台であったような終演後のスタンディン…

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DVD「ボーダーライン」

最初は国境線の意味で理解していたがチョット違っていて、映画は法を逸脱した麻薬組織の捜査行為だった。 最初の画面がアメリカとメキシコの国境風景で、延々とフェンスが続いている。トランプの壁建設の参考にもなる。 映画はアメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬組織との戦争行為を描いたアクション。巨大化するメキシコの麻薬組織殲滅のため国防総省の特殊部隊にリクルートされたFBI捜査官ケイトが…

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DVD「怪盗グルーのミニオン大脱走」

人間ドックの帰りに映画館に寄れなかったので、自宅でAmazonプライムでDVD「怪盗グルーのミニオン大脱走」を見る。 Amazonプライムの更新が今週あるのだが、大昔1990年代にホームページ作成で参考にしていた方のWebを久し振りに覗いてみた。昔の変わらない簡素な作りの中にAmazonプライムのことが載っていた。結論は、「こんな重宝なものを辞めるという選択肢はない」だった。自分ではあまり…

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